信濃屋@岐阜県多治見市
2010年 02月 01日
このお店の存在を知ったのは、
かれこれ4、5年前でしょうか。
以来、いろんなところで画像を見たし、
ネットにあるレビューなんかもいっぱい読みました。
「とにかく美味い!」とか、
「食べる価値はある!」とか、
「接客が素晴らしい!」とか。
逆に、
「好きになれない」とか、
「具なしにしては高い!」とか、
「話しのネタなら」とか、
想像だけはめっちゃ膨らむんですが、
自分の目と舌で確かめるまでは何も言えません。
で、行ってきました!
ここは岐阜県多治見市。
お店の名前は「信濃屋」といいます。
「わかりずらい場所」と聞いていたので、
覚悟してたんですが、案外すんなり。
なるほど~ この佇まいは並みじゃないよね。。
客席は奥に長い構造で、
手前から埋まっていく感じ。
入口すぐのテーブル席は満席で、
小上がりにも先客が。
さらに奥の小さな座敷が空いてました。
で、水を運んできたオバちゃんに、
「メニューわかりますか?」
と、聞かれる。
というのも、この店のメニュー表は、
テーブル席の壁に掛けられた木製のプレートのみ。
でも、そこは下調済みということで問題ありません。
何しろ、品数は3つしかありませんから。
「え~ ころうどん1つ、支那そば1つ下さい。」
そんなこんなで "ころうどん" が、ど~ん!
"ころうどん" とはこの地方独特の冷うどんのこと。
極太のうどんと黒いつゆが特徴らしいです。
では、ひと口。
うっ、うまいっす!
口当たりがとっても滑らかで、
噛むと、むにゅっときて、でいて芯がしっかり。
鰹のお出汁も芳醇にして美味。
見た目に反してぜんぜん塩辛くありません。
薬味の種類も質も量も完璧です。
この麺にして、このお出汁!
って感じでしょうか。
これはもう作り手の技術と姿勢、熱意の賜物。
食べ物というより、作品?
比類なき一杯と言えると思います。
続いて、支那そば。
まず、見た目が凄い!
中華の丼で出てくるので、
中華の仲間に見えなくもないですが、
麺はどう見てもフォー。
或いは、きしめんか。
スープはというと、
うどんのお出汁に豚(ラード?)を加えたシンプルなもの。
で、口に含むとカツオと豚が行ったり来たり。
この感じがなんとも面白い。
麺は独特過ぎて解説不能。
これは食べていただくほかありません。
味もさることながら、
この店、接客が素晴らしいです。
初めて訪れた客として言わせてもらうと、
店に入って、席について、注文して、食って、お金を払って、店を出るまで、
1ミリのストレスも感じませんでした。
それどころか、とってもいい気分。
何気なく出てきますが、
ころうどんの器は冷えてて、
支那そばの器はちゃんと温かい。
席から厨房は見えないし、
仕込みの様子もわかりませんが、
些細なところにも手を抜かない姿勢、
一杯に込めた情熱、みたいなものが、
この店を根っこで支えてるのだなと思いました。
お値段は、ころうどんが660円。
支那そばが880円、、だったかな。
食べる前は正直 「高いな...」 と思いましたが、食べて納得です。
店の歴史、風情、素晴らしい接客があって、かつ、この味。
適正価格などわかりません。
とにかく気持ちよく店を出ました。
レビューを読むと、
「具もないのに、高すぎる!」
ってご意見もありました。
でもボクはそう思わない。
この麺、このお汁なら、
そもそも具なんかいらない。
たとえどんな具がのろうと、
この絶妙なる一杯を邪魔するだけだから。
価格は店が決めるもの。
納得するかしないかはお客次第。
ボクは納得です。
納得どころか、いたく感銘を受けました。
ツボにグッサリ! 感服の ☆3つ!!!
●ころうどん 660円
●支那そば 880円
□お店の情報
■店名 信濃屋
■住所 岐阜県多治見市上野町3-46
■電話 0572-22-1984
■定休 日、月、火
■営業 11:30~売切れ次第終了